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MONOSASHI file28

Kasumi Horiguchi's MONOSASHI

〜信じる〜

MONOSASHI file28は堀口かすみさん。コロナをきっかけに、同世代の大学生3人で立ち上げたカフェ「cafe.millennium」を原点とした株式会社millenniumの代表取締役を務めています。「一人ひとりが自分らしく輝く社会」の実現に向けて奮闘する、かすみさんだけのMONOSAHSIについて教えてもらいました。

Q. 読者の皆様に自己紹介をお願いします!

 

堀口かすみといいます。名前の由来は、生まれた日に庭でお母さんがかすみ草を育てていたのがきっかけで、花束の中にあることで周りのお花がより輝くかすみ草のような人生を歩んでほしいという願いでお父さんがつけてくれました。私が人にお花を贈るときは、必ずかすみ草を横に入れてプレゼントしています。

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Q. 「かすみ」という名前の由来が本当に素敵です。

 

これまでの人生を振り返っても、割と名前の通りになってる気がします。自分自身が何かしたいというより、周りのみんなの人生をより輝かすことができたら、私の人生ってハッピーだなと思って日々生きているので、色々な人と出会ったり、その人の人生に自分もちょっと関われることに喜びを感じています。

 

Q. MONOSASHIの取材では、ゲストにお気に入りの洋服を着てきてもらうプチコーナーを実施していますが、今日はなぜこの衣装を選んだのですか?

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私はその日の気分で「これがいいわ!」みたいに色を選ぶんですけど、今日は黄色の気分だと思って黄色を着てきました。ついつい買っちゃう服の色は黄色と緑です。あとは、ひらひらしてる服が好き。こだわりとしては、身長を高く見せたいから、目線が上にいくようなコーデをしていることが多いかもしれない。

 

誰かの「やってみる」を応援したい

 

Q. かすみさんが代表を務める株式会社millenniumはどんな想いで活動しているのですか?

 

私のやりたいことは、これから未来のある若者に対して、自分の力で考えて動くことで自分の未来と向き合う活動を支援すること。その手段として、millenniumではカフェとコミュニティの活動をしています。

カフェでは、現役の大学生が実際にお店の経営を全て行うところが特徴で、学生メンバーが主役になって店の収益の管理からメニュー開発、接客まで考えています。カフェは、商売を通じて社会を知りながら自分自身と向き合う場にしてほしいと思ってやってもらっているというのが前提にあります。

コミュニティでは、自分でお店を運営してみたい学生さんが来ることが多い。そういう子たちの挑戦を応援することがコミュニティの活動の主軸になっています。ここにふらっと来て、みんなで夜ご飯を食べる日もあれば、実際に「あなたもここでお店やってみなよ!」ってカフェカウンターに立ってもらって出店にチャレンジしてもらうこともあります。

Q. 学生さんにとって挑戦の場であり、居場所でもあるんですね。「やってみなよ!」と誰かの背中を押すことのモチベーションはどこから来ているのですか?

 

まずはやってみることの価値を、自分自身がコロナ流行の時に始めたお店でした経験を通じてすごく感じたから。だから、今度は誰かの「やってみる」を応援したいんです。私がやってみることを後押ししたい対象は学生だけでなく、大人に対しても同様の想いを持っています。働いてる大人たちこそ自分の素直な心の声を忘れているなと思っていて、むしろ大人たちに若い子たちの姿を見せて大人にも「実は自分もこれやってみたかったわ」という願望を再び思い起こさせたいというのが事業の裏にある想いです。

 

Q. 目の前の人に起こる変化で、一番嬉しい瞬間はなんですか?

 

「やってみなよ!」の先に、必ずその人には何かしらの気づきが起こると信じていて。その気づきを得た瞬間にハッとしたり、ワーッて嬉しくなったり、その人に新しい視点を与えられた瞬間に私は超わくわくする。物の見方が変わるだけじゃなくて、その先の行動が変化する瞬間。行動すれば人は少なくとも1ミリ2ミリ変わると思っていて、その変化の瞬間がが私は面白いと思ってる。

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「人は動かないと何も見えないんだ」

 

Q. かすみさんのやってみなよ精神の根源はどこにあるのでしょうか?

 

幼少期にいじめに遭った経験があって、集団から疎外されることが私にとっての恐怖でした。集団から疎外されないためには、なるべく周囲の人に認められる行動をした方がいいとずっと思っていたから、学校ではとりあえずなんでも一番になれるよう、大学生になるまでレールから外れないように努力した。その価値観が大きく変わったのが大学受験に失敗したこと。無力感とともに進学し、コロナで更に動けなくなりました。ずっとレールをたどって生きることが自分にとっては生存戦略だったけれど、その価値観がコロナのときに始めたカフェ経営を通じて一気に変わってしまいました。コロナ当時に「一緒にカフェやろう!」と声をかけてくれた友達がいて、期間限定でカフェ営業をしたんです。

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コロナ禍、初めてカフェを行った時の様子

Q. コロナがかすみさんにとって大きな転機だったのですね。カフェをやってみて、どうでしたか?

 

今までは、レールから外れないために生きることが幸せな生き方だと思っていたから、そこから外れる事はめっちゃ怖かった。でも、いざレールから外れてみたら新しい世界がたくさんあって、選択肢は1個じゃないんだってことに気づかされました。カフェ経営への挑戦がきっかけで、「人は動かないと何も見えないんだ」と気付いたんです。

そんな時に、周りの学生や友人たちが就活がきっかけで心を病んでしまう光景を目の当たりにして。私が経験したことを元に行動する大切さを伝えて、周りの人の背中を押すことができたらいいなと思ったのがきっかけでmillenniumを続けることにしました。

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初めてカフェをした思い出の場所「下北線路街 空き地」

納得させるのではなく、

その人が自分で腑に落ちる瞬間まで待つ

 

Q. 普段、たくさんの人が集まるmillenniumですが、周りの人の背中を押す時に心掛けていることはありますか?

 

基本的には、その人の意思を大事にする。人は自分で決めたことにしか納得できないと思っているからこそ、納得させるのではなく、その人が自分で腑に落ちる瞬間まで待つことを心掛けています。その過程で「何でそう考えたんだっけ?」とか「そう考えた背景って何だっけ?」みたいに問いを投げ続ける感じ。引き出すよりは引き出てくるまで待つスタンスを取っているかもしれない。

 

Q. 「やってみなよ!」とかすみさんから声をかけることと、相手が腑に落ちて行動するまで待つことに優先順位はあったりしますか?

 

特になく、その人のパーソナリティ次第かなと思います。言われたことてすごく焦ってしまうタイプと、むしろ言われると行動に起こせるタイプがいるので、パーソナリティを見て、かける言葉や伝える頻度を決めてるかな。「やってみなよ!」って言われ続けるだけじゃなくて、やっている人に出会う場を用意して、定期的に巻き込むことで自分にもできるかもと思い始める。そのタイミングまで待ちます。

 

Q. どうやってその人のパーソナリティを見抜くのですか?

 

パーソナリティは対話すれば大体わかるかも。私は幼少期いじめられてたときに、人の顔色をずっと伺っていたので、その人がどういう瞬間にどういう感情を持つとか、どんなタイプなのかっていうのをずっと観察していました。自分を守るためにね。その人になるべく嫌われない行動を取るっていうのが生存戦略だったからこそ、その人のパーソナリティを見極めることを無意識にやってた。それが人のパーソナリティの理解に繋がっている気がします。

 

裏切りもある前提で、信じなければ見えない世界があるなら、

信じた方が人生豊かだと考えるようになりました。

 

Q. かすみさんにとってのMONOSASHIとは?

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裏切りに傷ついてきた幼少期だったから、信じることは怖いことだと思っていたけれど、今は信じるからこそ見える景色があって、それは素晴らしいものだと思っています。裏切りもある前提で、信じなければ見えない世界があるなら、信じた方が人生豊かだと考えるようになりました。

私は、基本的に人に対して嫌いとか好きとかはなくて、絶対その人なりの良さがあって、まずはそれを信じてみないと、人が変化する瞬間は絶対に見られない。まずは、信じないと人の可能性を見られないからこそ、信じることは私にとって大切なこと。

 

Q. 「信じる」というモノサシにかすみさんらしさを感じました。期待して裏切られる絶望よりも、信じた先の希望を大切にしているということですか?

 

信じた先に「期待」はしていないです。その人が信じてるものをただ、一緒に信じる。そこに私の期待はいれないようにしています。「あ、この人はそれを信じてるのね、じゃあ私も信じる。」それだけ。その人にこうなって欲しい、みたいな一方的な期待はをいれずに、「その人がそうなりたいならそれでいいじゃん」というスタンスをとる。だからこそ、どんな人のやりたいでも受け入れられるのかなと思います。今ではそれが自分の役割なのかなと思っています。

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MONOSASHIチームと共に!

MONOSASHI編集長 / 松井瞳

interviewer :Kohyoh Hayashi , Ryoma Iizuka

editor :Kohyoh Hayashi, Ryoma Iizuka , Hitomi Matsui

potographer  :Aoi Kawaminami

creative designer : Sawako Hiramatsu , Mashiro Takayanagi

character designer : Rei Kanechiku

 

location  : cafe.millennium , 下北線路街 空き地 , Shimokitazawa

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