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MONOSASHI file24

Sunny’s MONOSASHI

〜苦手なもの〜

MONOSASHI file24はサニーさん。下北沢のcafe & shisha "chotto"(以下chotto)の店長で、最終出勤の当日の朝に取材をさせていただきました。大阪で生まれ育ち、店長として多くの人と人の化学反応を起こしてきたサニーさん。今回はサニーさんだけのMONOSASHIについて教えてもらいました。

Q. 読者の皆様に自己紹介をお願いします!

 

はじめまして、cafe & shisha “chotto”店長のサニーです。ちなみに今日が最終出勤日です。出身は大阪で、本名は別で、名前が「晴れた日」と書いてハルカなので、サニーと自ら言うようになりました(笑)。

 

Q. MONOSASHIの取材では、ゲストにお気に入りの洋服を着てきてもらうプチコーナーを実施していますが、今日はなぜこの衣装を選んだのですか?

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これは、chottoの元オーナーの小澤彩聖くんから「chottoで働かない?」と最初に誘われた時に着ていた服です。去年のchottoのオープン2周年記念イベントでもこれを着ていて、最終出勤は絶対にこれを着ると決めていました。エモいよね、メモリアルファッションなの。

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chottoに誘われたあの日

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2周年記念イベントにて

Q. その日に着ていたことは、写真が残っているから覚えていたのですか?

 

写真が残っているからというよりかは、そもそも私は人の着ている服をすごく覚えてるタイプで、初めて会った時の服を結構覚えています。今日のこの服を覚えているのは、この写真がめっちゃいい写真やし、シンプルにこの服が5年くらい前から着ていてお気に入りやから覚えてる。

 

着飾るよりも内面も含めてありのままでいることを大切にしたい。

だから、メイクもナチュラルに素のままで日焼け止めくらいで生きていきたい。

 

Q. 服飾の学校に行かれていたとのことですが、服へのこだわりや想いなどはありますか?

 

私服を決めるときは、機能性で決めています。割合としては、機能性6、ファッション性2、季節感2くらいの割合で決めてて。だから、仕事着は絶対にパンツです。それは、機能性として一番動きやすいというのと、デニムがもともとワークパンツとして使われていたのが始まりで、ワークしてる時はズボンかなって。洋服は、服飾の専門学校時代にいろいろチャレンジしてみた結果、着飾るよりも内面も含めてありのままでいることを大切にしたいと思いました。だから、メイクもナチュラルに素のままで日焼け止めくらいで生きていきたい。

 

Q. サニーさんが機能性で選んでいるとは、予想外でした。新しい服を手に入れる時は、どんな基準で選んでいるのですか?

 

古着が好き。大量生産された物ではなくて、古着は自分の手元に至るまでにいろんな国を回っていまここにあるので、それをピックする愛おしさとか、それが自分のクローゼットに並んだら素敵やな、って想像しながら服を選びます。あとは、自分と関わりのある人たちが作ってる服も多く持ってるかな。

 

Q. 古着や、友人の作る服が多いのは、服の背景にあるストーリーとか、自分の手元に置いておくものに対しての意味付けを大切にしたいからですか?

 

その通りです。まさに今、chottoの店舗では、私が東京に住んだ3年4ヶ月の思い出のポストカードやシールを飾っているのですが、全部にそれぞれの思い出があるから、説明できちゃいます。

chottoにて展示していた3年4ヶ月の東京の思い出

(※現在は展示を終了しています)

なんで好きを仕事にできなかったんだろう

 

Q. 早速ですが、サニーさんだけのモノサシについて教えてください。

 

自分のモノサシは「苦手なもの」。めっちゃ漠然としてるんやけど、私の中でめっちゃ軸通ってて。苦手なものは変わらない。反対に、好きなものはめちゃくちゃ変化していいと思ってる。この言葉は、とあるトークショーで「好きなものは変わっていいし、変わり続けるべき」という話を聞いてめっちゃ納得して、その時の言葉をそのままいただいています。私は前職を辞めた時に「なんで好きやのに仕事にできひんのやろ」と、周りの人に応援してもらっていたことに対する罪悪感がずっとあって。でもそんな時に東京でいろんな大人に悩みを聞いてもらって、「焦らんでいいよ」というのと、「好きを仕事にすることは絶対じゃないよ」という言葉をかけてもらったんです。「好きなものと自分との距離感ってめちゃくちゃ大事で、その距離感をまだ見つけられてないだけじゃない?」という話をしてもらって。そんな時期に、トークショーに行った。ずっとモヤモヤしてたことを言語化してもらった感覚でした。

 

Q. サニーさんの中で、苦手なものを決めているのは何ですか。

 

「愛があるかないか」だと思います。例えば、「絶対したらあかんで」っていう少しきつい言葉も、そこに愛があったら、本当にその人のためを想って言ってることになると思います。逆に「全然大丈夫だよ」って、それをどうでもいいと思ってるなら、どうでもいい言葉にしかならん。言霊だから自分に返ってくる。私の苦手なものを決めるのは愛があるかないかだなと思います。

Q. サニーさんの変わらない「苦手なもの」は?

 

空気がずっと滞ってるのが苦手で、それが生き方にも繋がっていると思っています。私は21年ぐらい大阪にいたんですが、中学生ぐらいから新しい土地へ行きたいと思っていて、念願の東京に来ることができました。

普段の暮らしでも、同じ場所に居るからこそ、新しい情報を入れる事が必要だと感じています。私は、いつものエリアを離れて遊びに行くことがあります。私にとっては本当に空気の入れ替え、換気だけど、同時に違うエリアに遊びに行くことで、店舗に立つ人間としてちょっとしたきっかけを拾えたらいいなとも思っています。「美味しいカレー屋さんどこですか?」って聞かれた時に「こういうお店ありますよ」と、自分の街で遊んだ情報を少し流せたらいいなと思ってます。

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Q. 店長としての責任を果たそうとしているエピソードから、いつも元気なサニーさんの根っこにある真面目さが垣間見えます。

 

真面目なんよ〜(笑)。私は生まれた時から周りに大人がいっぱいいたんです。実家がひいおばあちゃんの代から95年続く美容院で、小さい頃からみんなに抱っこされてたみたいです。地元では、商店街の美容師さんの娘という見られ方だったので、「どこ行っても、見られてるから気をつけや」と言われていました。父と、その上にじいちゃんとひいばあちゃんの95年分の歴史があって、お客様が本当に愛してくれているのを感じたり、美容室が盛り上がってるところを見ると、自分が邪魔できひんなと思っていました。そこはずっといい意味で気にしていました。だから同じように、chottoの店舗に立つときも、自分が所属している場所に関わる人への意識や、その店の人間として見られることを特に気にしているのかもしれません。

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人が変わったら場所の価値も変わるのは当たり前

 

Q. サニーさんのお話を聞いていると、誰かが紡いできた場所をサニーさん自身も紡ぎ続けるという生き方を感じます。それこそ、いろんな人の手に渡ってきた古着が好きという話もその生き方に通じるような、、、。

たしかに、1から50になる過程をめちゃくちゃ愛おしいと思っています。物事が軌道に乗り始めてきて70から80ぐらいまでいったらあとは100にするだけだけど、軌道に乗るまでの1から50の過程ってしんどい。私は、ここの過程を並走するのがめっちゃ好きかも知れないです。ちなみに、高校の時はバスケ部のマネージャーをやってました。その時も、プレイヤーじゃなくてマネージャーが良かったんです。

 

Q. chottoで店長をするということにも通ずる部分がありますか?

 

chottoの店長は、これまでの店長とキャストの方々が築いてくれてきたものを、私がバトンを取って繋いできただけだと思っています。「あの時はサニーっぽかったよね」とか「あの時は誰々っぽかったよね」という風に、別に私が店長の時がピークじゃなくていい。人が変わったら場所の価値も変わるのは当たり前のことだからこそ、元オーナーの彩聖くんや新さんが紡いできたものを私が継承して、私の代が終わっただけという感覚です。でも、今までとこれからを繋ぐのは私にしかできへんと思ってるから、最終出勤日の今日もイベントにはせず、日常で終わらせたいんです。イベントにしてピークを作るとあとはその盛り上がりが下がっていってしまうから、めっちゃ日常の服を着て、ちょっと髪だけかわいいかなってくらいにしておきたかった。

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​出勤日にストーリーに投稿される”サニーさんといえば”の写真スポットにて

これまで出会った人に「私と出会ってよかった」と思わせたい気持ちがあるんです。

だから、ラブできたらビッグラブで返したい。

 

Q. サニーさんにとって、人とのつながりや、誰かと一緒にするということが大切なのかなと思いました。人とのつながりについてのサニーさんの哲学を知りたいです。

 

もちろん1人の時間もすごく大事だけど、誰かと一緒に乗り越えていった方が楽しいし、巻き込んだ方がいいやんと思っています。その理由として、人と人の掛け合わせによって起こる化学反応がめちゃくちゃ好きだからです。今日の最終出勤日に来てくれる友達たちも、私をきっかけに友達になった人たちがいっぱいいると思っています。「本当にサニーちゃんと出会えてよかった」とか、「あれがきっかけで仲良くなったよ」みたいな声を聞くと嬉しくなります。ずっと変わらない考え方に、これまで出会った人に「私と出会ってよかった」と思わせたい気持ちがあるんです。だから、ラブできたらビッグラブで返したい。

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Q. 本日がchottoの最終出勤日ですが、店長としての一年を振り返って思うことはありますか?

 

意外にも目の前のことに全力だったから、目標とかは決めていませんでした。でも、未来を語るのではなく、何事も足元からやるべきやから、居心地の良い空間にしようとか、掃除はちゃんとしようとかはめちゃくちゃ思ってた。それは、土台さえしっかりしておいたら何でも建てられるから。家の外部だけ建てるのではなくて、中もしっかり筋を通しておきたい。だから、私にとって大切なのは目標や目的ではなくて、目の前のことを全力で生きて愛すってこと

MONOSASHI編集長 / 松井瞳

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MONOSASHIメンバーと共に!

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interviewer :Sawako Hiramatsui , Hitomi Matsui , Ryoma Iizuka , Kohyoh Hayashi

editor :Hitomi Matsui , Kohyoh Hayashi , Sawako Hiramatsu

photographer  :Ayato Ozawa

creative designer : Sawako Hiramatsu , Mashiro Takayanagi

character designer : Rei Kanechiku

 

location  : cafe & shisha "chotto" , shimokitazawa

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